Society
/ 社会への取り組み /
社会に対する基本的な考え方
急速に変化する昨今の環境・社会・経済において、我々が直面する課題もますます複雑化しています。こうした環境の中、これからの100年もお客様に寄り添い、社会の発展に貢献していくもの創り企業であり続けるため、私たちは時代をキャッチアップし、現状に満足することなく、仕事の仕方やその仕組み、組織のあり方を絶えず見直し続けなければなりません。
私たちは従業員と会社がともに成長することを目指し、事業活動のあらゆる段階で築いた組織文化を自ら打ち破るとともに、事業戦略実行へ執念・責任・覚悟を持って取り組みます。また、次なる社会を果敢に切り拓いていく人材・組織になることのできる文化へと進化させ、社会を動かし未来を創るものづくり企業へと成長を続けていきます。
人材育成 ~個を磨く、成長を促す~
当社は、直面する社会課題を見据え、事業環境の変化に対応し中長期的な企業価値向上を果たすため、Vision2030「Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~」を策定しました。企業の持続的な成長の源は人材であるという考えのもと、多種多様な視点や価値観をもった人材がそれぞれの能力に磨きをかけ、強みを活かして働くことのできる組織の実現を目指しています。
人事制度の刷新
昨今、経営環境の変化が大幅に加速し、従業員の就労意識や職業観などにも大きな変化が見られるなか、当社は新たな人材マネジメントの実現に向けて人事制度の改革に挑戦しています。旧来の制度や事業を守り支えるだけでなく、新たな課題や事業に取り組む挑戦型の人材が評価される仕組みへと改め、個の成長と組織の活性化を目指し、2023年度は2022年度から段階的に導入した新人事制度の運用改善に注力しました。
従業員ひとりひとりの課題や問題意識に寄り添い、安心して働きやすい環境を整えることで、チャレンジする従業員を会社がしっかり後押しするような人材マネジメントを目指します。
挑戦を後押しする人事施策の詳細は、CSR報告書2024よりご覧いただけます。
【人事制度改革】
保守型人材から挑戦型人材への変革
Change & Challenge !
研修制度
当社の教育訓練制度は、主に一般教育、部署別教育で構成され、「想像力と責任感をもった実行力のある人材」の育成を目的とし、職務遂行に必要となる能力を獲得するために、階層別に研修体系を定め、計画的且つ継続的に進めています。
2022年度は、人事制度の刷新に併せて教育制度も見直し、2023年4月より挑戦型人材の発掘・育成を目的として新たに選択型研修制度を導入しました。多種多様な研修を自由に選択し受講出来る環境を整えることで、学びたい意欲のある従業員を支援します。
研修項目 | 内容 |
---|---|
階層別研修 | ・昇格時研修 |
リーダー養成選抜研修 | ・次世代経営層の候補者育成 |
選択型研修(2023年4月~) | ・8,500以上の講座から選択可能 |
健康経営への取り組み
当社は、人材こそが全ての礎と考え、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進するとともに、一人ひとりが心身ともに健康であるために、各職場における従業員の安全管理や健康づくりを進めています。また、家庭や生活とともに仕事があると考え、柔軟な働き方を可能にする勤務体系の整備に取り組んでいます。
健康経営宣言
新日本理化は、一人ひとりが心身ともに健康でイキイキと活力ある働きがいのある職場環境づくりに組織全体で取り組むことを宣言します。従業員の成長と共に会社も持続的に成長し、もの創りを通して広く社会の発展に貢献していきます。
代表取締役 社長執行役員 三浦 芳樹
労働時間の適正化
過重労働対策及びメリハリのある働き方の推進を目的とし、在宅勤務中の従業員の始終業時刻及び労働時間を把握・管理することができるよう、2021度に勤怠管理システムを改修しています。仕事と生活の時間の区別が曖昧となり、生活時間帯の確保に支障が生じやすい在宅勤務ですが、当システムの改修により、自己申告に頼ることなく業務時間の管理が可能になるとともに、従業員自らが働き方を見直すきっかけにもなり、業務効率化だけでなく、健康障害の防止にも繋がっています。
コアレスフレックスタイム制
働く時間や場所にとらわれない働き方へ適応していくことが事業活動の継続性の観点からも重要であることから、研究開発部門のみに限定し導入していたフレックスタイム制(コアタイム有り)のコアタイムを廃止したことに加え、コアレスフレックスタイム制の適用部署を拡大しました(概ね交代勤務者を除く)。
健康推進体制の強化、治療から予防中心の取り組みへ
労働安全衛生法に基づく安全衛生管理を推進しております。全事業所への産業医或いは嘱託医の配置、業務に起因しないケガや病気でかかった治療費を一部補助する医療費補助制度、さらには産業医での内科診療費の全額補助などを通して従業員の日々の健康管理・早期治療をサポートしています。
加えて、国民医療費の将来見通しを鑑み、当社も従業員の疾病予防・健康増進を進めていくために、2022年度に各事業所に健康づくり担当者を配置し、健康づくり体制をさらに強化しました。健診業務の効率化や健康づくりに関する施策の実効性を高め、治療から予防中心の取組みへとシフトし、従業員の心身の健康の維持・増進に取組みます。
心と身体の健康づくり
当社は、従業員が自信に満ち溢れ、成長を楽しみ、未来を考え続ける個の集団となるために、セルフケアを促し健康づくりを支援しています。健康は加齢や病気、ライフイベントなど様々な影響を受ける動的なものですが、豊かな人生を送るためには、健康診断結果等の客観的指標だけでなく、主観的健康感を高めていくことも重要であると考えています。
今後も働きやすい職場環境を整備するとともに、健康を個の問題とせず、感じていることをオープンにする場を提供し、心、身体、社会との繋がりの3つが調和された健康づくりを支援していきます。
健康づくりの取り組み項目 | 2022年度実績 |
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健康診断受診率 | 春季・秋季ともに100% |
ストレスチェック受診率 | 春季・秋季ともに100% |
【TOPICS】
健康経営優良法人2023に認定されました(3年連続認定)
きょうと健康づくり実践企業認証制度(令和4年度)において当社京都工場が最優秀賞を受賞しました
多様な人が活躍する場をつくる
多様な価値観を認め合い、個性を発揮できる組織となるには、共同参画の促進により多様性を高める必要があると考えています。組織風土の変革の加速と実現のため、女性管理職はもとより、多様な経験やキャリアを有する人材の 採用と登用を通じて、ダイバーシティ&インクルージョンに取り組みます。社内人材の多様化や社内ローテーションを行うなど、組織の活性化に向けた取り組みを進めるとともに、「女性活躍推進法」および「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画では、男女の均衡ある育児参加や成長機会の提供を念頭に、それぞれの活動を推進しています。
共同参画の促進
経営と現場を繋ぐ重要な役割である管理職に占める女性の割合は、現時点では目標値には至っていませんが、係長相当職(管理職より1つ下位の職階)に占める女性の割合は、全従業員に占めるそれを上回り、順当に育成されています。
また職域拡大に向けた環境整備については早期に成果を出すべく、対象部署へのヒアリングを進め、現状の課題を整理し、計画的かつ着実に取り組みを進めていきます。
当社は従業員全員が対等な構成員として、職業・家庭・地域生活などのあらゆる分野に参画し、「誰もが責任を担うことができる」という意識改革を進めるとともに、一人ひとりの多様な背景や経験、知識を活かし能力を最大限に発揮できる環境を整えることで、当社の課題だけでなく、社会課題の克服にも繋げていきます。
女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画
計画期間:2022年4月1日~2025年3月31日
目標と取り組み内容
- 管理職に占める女性の割合を7%以上にする。
- 女性比率の低い職場(営業・購買職、製造・技術職)に、新たに女性従業員を2名以上配置する。
取り組み項目 | 2023年度実績 | 2025年度目標 |
---|---|---|
女性比率の低い職場(営業・購買職、製造・技術職)への新たな女性従業員 | 営業職2名配置 | 各職場に女性従業員2人以上配置 |
管理職が占める女性割合 | 7.0% | 7.0%以上 |
障がい者雇用割合 | 1.9% | 2.5%以上 |
障がい者定着率(入社3年目まで) | 100% | 100% |
仕事と育児の両立
家庭での経験が、職場での多様性の理解を促し、働き方を見直すきっかけになると考え、仕事と育児の両立支援に積極的に取り組んでいます。また、育休ミーティングシートを活用した従業員と上司との丁寧なコミュニケーションにより、男性育休取得率の向上を目指しています。
次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画
計画期間:2022年4月1日~2024年3月31日
目標
- 育児に関する制度や手続きの周知活動として、ガイドブックの作成や社内セミナーを実施する。
- 介護と仕事の両立について、実態調査によりニーズを把握するとともに、両立支援に関する社内セミナーを実施する。
- 年次有給休暇の取得を促進し、年10日以上取得できるようにする。
(勤続7年目未満は付与日数の50%以上取得できるようにする。ただし勤続1年未満は対象から除く。)
2019年度実績 | 2020年度実績 | 2021年度実績 | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2025年度目標 | |
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男性従業員の育児休業取得率 | 17% | 43% | 75% | 43% | 70% | 100% |
女性従業員の育児休業取得率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
育児休業からの復帰率 | 男女とも100% | 男女とも100% | 男女とも100% | 男女とも100% | 男女とも100% | 男女とも100% |
育休取得者の声
周囲の理解が得られるか不安で、当初は1カ月の予定でしたが、勇気を出し先輩に相談したところ、家庭事情を理解し、上司へ2カ月間の取得を進言して下さいました。また育休中の上司との中間面談には家族も同席し、復帰後の生活や働き方について全員でしっかりと話し合いました。職場で取得希望者がいたら、私も全力で後押しできるよう、日頃から業務効率を高め、互いの業務をカバーし合い、安心して働ける職場づくりに貢献したいと思います。
【育休取得期間:2022/5/30~7/31】
子供の成長をそばで感じたかったので、3回に分割し、3回に分割して、合計2か月間の育児休業を取得しました。
分割取得したことで、私と妻互いの育児負担を軽減でき、途中に復職を挟むことで育休中の仕事の状況が把握しやすかったです。
出産予定日が判明した時点で上司に話していたこともあり、育休取得を快く受け入れていただきました。
また、職場では「楽しみだね」と声を掛けてくださり、仕事のモチベーションも上がりました。
世の中では、まだまだ男性が育休を取得することが当たり前ではないようですが、私の育休取得を後押ししてくれた職場のみなさん、上司そして会社に感謝しています。
【育休取得期間:2024/3/1~3/14(1回目)、2024/4/1~4/14(2回目)、2024/4/15~5/14(3回目)】
従業員のワークエンゲージメントの向上
企業価値向上の源泉たる従業員のワークエンゲージメント(活力、熱意、没頭)は、今後も当社が社会へ貢献できる企業であり続けるための不可欠な要素と考えています。
一人ひとりが「心身ともに健康でイキイキと活力ある状態」そして「働きがいがある状態」を実感できることを目指し、従業員のパフォーマンスを最大限に発揮できるような職場環境の整備に努めておりますが、それらを測る指標として2023年度の従業員アンケートでは、
74. 6%の従業員が「仕事にやりがいを感じている」と回答しています。今後も定期的にワークエンゲージメントを測定し、肯定的回答70%以上を維持し、且つ80%以上への改善を目指し、従業員と良好な関係を継続して築くことに努めます。
地域社会とともに
事業所地域における課題について、当社グループのリソースを活かした活動に取り組んでいます。継続的に地域社会と交流・共存し、明るい未来へと繋いでいくことを目指しています。
活動
年度 | 内容 |
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2022年度 | ・「ふしみなーとフェスタ~ 持続可能な水辺の賑わい創出に向けて~」でのワークショップ実施 |
・市町村ごとに発行されている「お仕事ノート」で京都R&Dセンターの仕事を紹介 | |
・京都R&Dセンターにて、地元中学生の企業訪問を受け入れ | |
2023年度 | ・日本油化学会関西支部主催のシンポジウムを京都R&Dセンターにて開催 |
・京都府危険物安全大会への参加(当社従業員が表彰されました) | |
・伏見自衛消防訓練大会への参加 | |
・各工場にて防災訓練を実施 | |
・京都R&Dセンターにて、地元中学生の企業訪問を受け入れ |
油化学関連シンポジウムの開催
日本油化学会関西支部主催のもと、「“界面活性剤”~分子設計から特性まで~」をテーマとし、2023年度に当社京都R&Dセンターでシンポジウムを開催しました。
界面活性剤研究の第一人者である奈良女子大学・吉村先生に、泡の特性など基礎から応用まで幅広くご講演いただきました。当社も水素と酸素の電気分解やコア技術である水素添加技術を用いたアルコール製造等を紹介し、研究所見学も行いました。
学会員だけでなく一般の方々の参加もあり、電気分解の原理を小中学生にも分かりやすく説明するために、参加型の化学実験を行いました。界面活性剤に関する研究や、化学のおもしろさを伝えるシンポジウムを開催できました。
京都府危険物安全大会
事業所における自主保安体制の確立や災害の未然防止、危険物に関する安全意識の高揚・啓発を図るため、毎年6月に危険物安全週間の行事として京都府危険物安全協会連合会主催の京都府危険物安全大会が開催されています。
2023年度の同大会では、京都市危険物安全協会の推薦に基づき、危険物の取扱いや保安等、危険物関係業務に携わり危険物災害の防止に尽力したとして、当社従業員が表彰されました。