ご挨拶

　当社は1919年に創業し、今年104年目を迎える化学メーカーです。創業時より経営理念「もの創りを通して広く社会の発展に貢献します。」のもと、より豊かで便利な暮らしを支えるため、知恵と工夫を重ねながら社会とともに成長を続けてまいりました。

　そして、次の100年を歩む上での道しるべとして掲げたのが、Vision2030「Be the best SPICE！～心躍る極上のスパイスになる～」です。今、世界は混迷を深めています。異常気象の頻度は確実に増し、また、地政学リスクの高まりなどを背景に、最も尊重されるべき人権が損なわれる事態も発生しています。世界中でこういった社会課題の解決を模索する機運が高まるなか、社会の一構成員としてどのような貢献ができるのか。この問いへの答えをVision2030に託しました。「極上のスパイス」と表現される多様な個を結集し、彼ら・彼女らの力で唯一無二の特性を持ったスパイスのような素材を創り出すこと。そしてこれからの社会がより豊かであるために、人々の暮らしがより健やかであるために貢献できる事業を続けていくことが当社の存在意義であると考えています。

　現在、Vision2030の達成に向けて5カ年の中期経営計画（2021年度～2025年度）を遂行しています。「環境・社会・人（命）に関わる課題に果敢にチャレンジし、価値創造企業を目指す。」ことをコンセプトに掲げる本計画のもと、当社自身の持続可能性を高める収益構造の改革のみならず、社会課題の解決に主眼を置いた事業ポートフォリオへの変革を進めてまいります。

　もの創りを通して広く社会の発展に貢献する―この経営理念は100年前の創業時も、そして次の100年を歩み始めた今も変わりません。一方で、絶え間なく変化する社会において今後も成長を続けるためには、挑戦と変革が欠かせません。今般、人事評価制度を刷新し、社員の挑戦へのモチベーションを高めるとともに会社がその遂行をしっかり後押しする体制を整えました。多くの社員がより高みを目指して動き始めた今、中期経営計画を達成し、そしてビジョンを体現する企業へと変革を遂げることが、当社グループが進むべき未来であり、その先に持続可能で豊かな社会があると信じています。

今後とも当社グループへの一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

代表取締役 社長執行役員
三浦　芳樹