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コーポレート・ガバナンスの考え方

 当社は、効率的かつ健全な企業経営のもとに企業価値の向上を目指す化学素材メーカーとして、広く社会から信頼される企業となるため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題と位置づけています。
 また、コーポレート・ガバナンスの強化を図る上での具体的な方向性を示すものとして、「コーポレート・ガバナンス基本方針」を制定し、適宜見直しを図っています。

コーポレート・ガバナンスの基本方針

新日本理化のコーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの体制

新日本理化のコーポレートガバナンスの仕組み図 新日本理化のコーポレートガバナンスの仕組み図

各機関および委員会の役割・機能

取締役会

 取締役会は、全取締役9名のうち4名を社外取締役としています。社外取締役には、企業経営の経験を有する方や財務・会計に関する専門知識を有する方、法律の専門家など、多様なバックグラウンドを持つ方々に就任いただいており、取締役会において多角的な視点から議論を行うことができる体制を確保しています。
 取締役会は、原則毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、経営の重要事項について決定を行うとともに、業務執行取締役および執行役員の職務の執行を監督しています。

指名・報酬諮問委員会

 指名・報酬諮問委員会は、社外取締役4名を含む5名の委員で構成しており、社外取締役が委員長を務めています。取締役会は、取締役等の選解任および報酬等について、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ決定することとしています。

監査等委員会

 監査等委員会は、社外取締役2名を含む3名で構成しており、うち1名は財務・会計に関する知見を有する方、1名は弁護士の方に就任いただいています。常勤の監査等委員は、取締役会および経営会議その他の重要な会議に出席し、経営の基本方針や重要事項の決定、業務執行取締役による職務執行の状況について実効的な監査を行っています。また、業務執行取締役からの独立性を確保された監査室の従業員が監査等委員会の職務を補助しています。

会計監査人

 当社は会計監査人として、EY新日本有限責任監査法人を選任しています。会計監査人は、監査計画に従い、中間・期末および期中においても適宜、法令に基づく適正な会計監査を行っています。また、監査等委員会との間で随時、監査情報の交換を行うなど連携を図っています。

経営会議

 取締役および執行役員を中心に構成し、業務執行に関する具体的事項の決定および取締役会決議事項の事前審議を行っています。

CSR委員会

 執行役員および国内連結子会社の社長を中心に構成し、当社グループのCSR経営の推進・強化を担っています。

コンプライアンス委員会

 執行役員および国内連結子会社の社長を中心に構成し、内部通報制度の運用・改善を含むコンプライアンス施策の推進を担っています。

ガバナンス強化のあゆみ

 当社は、2016年の監査等委員会設置会社への移行後、2019年には指名・報酬諮問委員会を設置し、翌2020年には社外取締役を5名に増員するなど、継続的にコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいりました。2023年には取締役会における多様性を向上させるため、女性取締役を1名選任いたしました。

役員人数グラフ
ガバナンス強化の歴史

取締役会の活動状況

 2023年度に開催された取締役会は16回であり、重点的に審議を行った内容は以下の通りです。

2023年度における取締役会の活動状況

資本効率向上 財務体質向上に向けた施策(政策保有株式の縮減等)
リスク管理 合弁子会社を中心としたグループ事業戦略の見直し
事業構造改革 事業ポートフォリオ最適化に向けた各事業の分析および生産体制の見直し

指名・報酬諮問委員会の活動状況

 2023年度に開催された指名・報酬諮問委員会は4回であり、重点的に審議を行った内容は以下の通りです。

2023年度における指名・報酬諮問委員会の主な活動状況

指名に関する事項 取締役候補者の指名(再任を含む)
執行役員候補者の指名(再任を含む)
報酬に関する事項 取締役の個人別報酬の金額
執行役員の目標達成および業務執行状況の評価
執行役員の個人別報酬(評価連動型報酬を含む)の金額

取締役の報酬

 当社は、取締役報酬の決定方針について、次のとおり決議しています。なお、本方針の改定にあたっては、指名・報酬諮問委員会に原案を諮問し、その答申内容を踏まえて取締役会で決議するものとしています。

取締役(監査等委員および社外取締役を除く)の報酬

 基本報酬のみとしています。基本報酬は、取締役としての役割や役位に応じた年額の基準額を12ヶ月で按分した月例の金額を毎月支給することとしています。ただし、会社業績の著しい悪化等により、基本報酬の基準額を支給することが妥当でないと判断する場合には、報酬の減額を行うこととしています。なお、業績連動型賞与については、業績指標の選定や報酬額の算定方法を含め、導入に向けた検討を重ねてまいります。

監査等委員および社外取締役の報酬

 役割と独立性の観点から、その役割等に応じて設定された基本報酬のみとし、それを12ヶ月で按分した月例の金額を毎月支給することとしています。

2023年度における取締役報酬の総額

報酬等の総額
(百万円)
対象となる役員の員数
(名)
取締役(監査等委員を除く)
(うち社外取締役)
103
(12)
7
(3)
取締役(監査等委員)
(うち社外取締役)
30
(16)
4
(3)

取締役会の実効性評価

 当社は、毎年、取締役会の実効性の評価を行うことで、取締役会機能の向上を図っています。第8回目は2023年度開催の取締役会を対象に、各取締役にアンケート調査を実施の上、その結果を踏まえ取締役会で議論しました。

<取締役会の実効性評価結果> 対象:2023年度開催の取締役会

評価項目 評価の概要
取締役会の構成 4名の社外取締役に加え女性取締役が1名選任されており、取締役会の多様性は一定程度確保されている。今後は技術系の人材の登用についても検討されるべきである。
取締役会の運営 開催頻度や議案毎の説明は概ね適切であるものの、付議範囲が広いため中長期戦略や経営リスクに関して議論を深めることが難しい。個別案件については執行側への委任を進めるべきである。
取締役会での議論 社外取締役を含め活発な議論が行われている。ただし個別議案の審議・決定が中心なので、より早期の事業構想段階から戦略の方向性や課題を議論する機会があると尚良い。
社外取締役会への情報提供 取締役会の審議事項に関する事前説明は概ね適切に行われているが、当社グループが抱えるリスクやそのマネジメントについての情報提供をより充実させるべきである。

コンプライアンス

 当社は、経営理念・CSR方針のもと、当社グループの役員・従業員が企業活動を行う上で遵守すべき規範を「行動規範」として定め、コンプライアンスの徹底に努めています。
 行動規範を分かりやすく解説するハンドブックを配布し研修を行うなど、その周知・浸透を図ることで、コンプライアンスに関する問題の未然防止・早期是正に取り組んでいます。また、法令順守に留まらず、適切な緊張感を保ちながら誰もが自由闊達な議論のできる風通しの良い職場環境をつくり、オープンでフェアな企業活動を実践していきます。

コンプライアンスについて

社外取締役メッセージ

独立社外取締役

柳瀬 英喜

2023年6月に当社社外取締役に就任。総合商社の経営を担った経験から、企業経営に関する幅広い見識に加え、海外事業に関する豊富な知見を有している。

社外取締役としての役割

 社外取締役の基本的な役割は、業務執行者の管理監督、つまりステークホルダーの目線で見たときに経営の方向性が間違っていないかを監督することだと認識しています。そして私個人について言えば、豊田通商という商社に44年間勤めてきたので、商社やトヨタグループに特有の考え方を活かし、それらの良い面を当社経営の健全化にどのように反映していくかを意識しながら社外取締役としての役割を果たしたいと思っています。経営の在り方として特に考えるのはボトムアップとトップダウンのバランスです。ボトムアップで組織を活性化しながら進めるやり方もありますが、方向性を大きく変えるには高い視座からのトップダウンが必要です。そういったバランスの取り方は、業種・業態に関わらず考え続けなければならない点だと思っています。

新日本理化のガバナンスの実効性

 私や松本社外取締役は、執行部による審議・決定の場である経営会議にも出席し、執行部の考えを把握した上で必要に応じ意見を述べるようにしています。執行部が抱える具体的な課題―コンプライアンスや安全に関わるものなど―は、内容によっては経営の行方を左右する重大な問題に繋がります。経営会議の場でそういった課題を知ることができるのは社外取締役として非常に有意義です。また取締役会では、会計や企業法務の専門家である社外取締役の方々が、データを見ながら客観的に意見を述べます。我々は執行部の方向性や課題を理解した上で、ステークホルダーから見て納得できる経営がなされているかを考えながら発言をしており、重層的で実効性の高い議論が行われていると感じます。今後さらに取締役会のレベルを向上させるために、取締役のOff-JTのような場があっても良いと感じます。中長期戦略を進める上で当社に不足する知見・スキルを持った方による講演会などが考えられると思います。

人材戦略の在り方

 経営戦略を進めるにはどういった人材が必要か、その人材は社内にいるのかいないのか、いない場合に採用するのか育成するのか、そういったことを考えるのが人材戦略だと思います。人材戦略では、会社の将来を担う上位層をどのように育て引き上げるかに重点が置かれがちですが、全体の平均値を上げるにはボトムアップが重要です。ボトムの人材を育成する上でカギを握るのは本人のモチベーションなので、人事評価もモチベーション向上に繋がる形で行う必要があります。本人と評価者が丁寧に対話をしながら、評価結果の根拠とより上位の評価を得るために必要なことを明確にしていくと、本人も納得してモチベーション高く次の仕事に取り組めるのではないでしょうか。それを繰り返すことで人材が育ち、経営戦略が実現されていく―それが人材戦略だと思います。

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